アニマル×エデュケーション
Animal と Education がテーマのオージー娘が綴るつれづれ日記。

被災地の旅―女川編―

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被災地ツアー初日午後は、宮城県の中でも特に壊滅的な被害を受けた女川町へと向かった。
ここ女川町は、もともと人口1万人程度の小さな漁港の町。そのうち死亡者・死亡認定者・行方不明者が合わせて900人ほどに上り、建物も約8割が流されてしまったそうだ。この町に津波が襲い全てを奪っていく映像は既に見たことはあったが、やっぱりその場所に行って実際被災した場所を見てみたいし、体験者の話を聞いてみたいとずっと思っていたので、そのような場所に行く機会を作ることができてよかったなと思っている。

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まず訪れたのは、女川港を望む高台。ここには大きな病院も立っている。病院の入り口の高さは海抜16mのところにある。地震の後人々は急いでこの病院まで避難したが、まさかここまでは来ないだろうと思って津波を見に病院下の坂まで降りて出た人がそのあと波に流されてしまったという話も聞いた。津波は高さ20.6mにも達し、こんな高台にある病院も一階の天井くらいの高さまで水没したというのだから、どれほどの大きな津波だったかがよく分かった。

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<病院の下はかつて閑静な住宅地だった>

病院の駐車場から港の方を見下ろすと、そこはかつて家やお店や漁港が整然と並んでいた場所。今は重機が沢山入り、もうきれいさっぱり片づけられて、この土地をまた新しく利用し始めるための準備が着々と進んでいた。

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<手すりがぐにゃりと曲がった階段>

津波がへし曲げた手すりがそのまま残っている階段を降りた。この階段を必死で駆け上ったけど間に合わなかった人もいたんだろうなと思いながら降りた。

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<根こそぎ倒されたビル>

津波が全てを流した跡地には、根こそぎ倒されたままの建物が横たわっていた。(上の写真で手前に映っている緑色の面は、もともと屋上だった面。)他の建物が撤去された後も、このビルは今後の津波被害の研究のために残されているそうだ。そばに寄ると、3階建ての実物大のビルが壁を下にして倒れた状態でそのまま目の前にあるので、トリックアートを見ているような、不思議で不気味な感覚を覚えた。



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そのあとは、「きぼうのかね商店街」という復興商店街へ行った。この商店街はカナダ人の支援に寄って建てられたという、コテージ風な木製の仮設小屋にお店を復活させたもの。自分の店が流されてしまった人たちがこの商店街で物を売っている。ここでお土産を買って、地元の経済に貢献することも一つの手助けなので、女川一押しのさんまのそぼろの瓶詰を買った。

まげねっちゃ

「まげねっちゃ」(=負けないぞ)という本も買った。これは女川町の被災前後の写真をまとめた写真集でもあり、女川の小学・中学校の生徒たちと先生たちがそれぞれの被災体験や気持ちなどを書いた文集でもある。ツアー帰りのバスの中で読んだが、やはり子供たちの素直な感情表現は胸を打つものがあった。子供は身内の死や未来への夢などを隠さず素直に書き表すので、大人がきれいに編集したドキュメンタリーを観るよりもよっぽど感情をゆすぶるものだった。また子供たちを責任もって避難させ励まし続けた先生たちの文章も、同じ教師として共感できるものが沢山あり、被災時の状況が具体的に伝わってきたので、この本は是非皆さんにもお勧めしたい。(アマゾンで買えるみたいです。)

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<きぼうの鐘>
がれきの中から見つかった女川駅の電車の発着を告げる鐘に復興の希望を感じてここに飾られている




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<蒲鉾屋>

そのあとも現地の特産品めぐりは続く。今度は丘の上にあったために被災しなかった幸運な蒲鉾店を訪れた。そこでは店長さんの解説付きで、実際に現地の人が撮った津波時のビデオを観た。さっきまで立っていたあの病院のある高台から見える家々が次々と津波で流されていくのを見て、一層リアル感が増して怖かった。でも笑顔で元気に復興への思いを語る店長さんの話を聞いて、元気が出た。
「私の店は本当にラッキーなことに助かりましたから、ここで作る自慢の蒲鉾をもっともっといろんな人に買ってもらって町を元気にしたいんです。職業を失った人を沢山雇って、今はスタッフも120人から190人に増えました。こうして外からいろんな人が買いに来てくれるので、みんなとても喜んでいます。皆さんのおかげです。」

人口の十人に一人が亡くなり、10軒に8軒の割合で建物が破壊された女川町。だけど、この蒲鉾屋や商店街の人たちのように、この町に留まりこの町をまた再び盛り上げようと頑張っている人たちを見ると、そんな被害をも感じさせないほどの元気を感じました。その前向きなパワーで特産品をどんどん売って、復興に繋げていって欲しいものです。

つづく
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