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アニマル×エデュケーション
Animal と Education がテーマのオージー娘が綴るつれづれ日記。

3.11に想うこと

昨日で東日本大震災から4年が経った。あの時私はケアンズに引っ越して間もないころで、新生活に馴染むのにいっぱいいっぱいで、テレビも見ない生活を送っていたため、事の重大さに気づくのに時間がかかった。幸い私の家族も友人も誰も大きな被害に遭った人はおらず、原発事故の意味することもすぐには呑み込めなかった。事故から数か月経った頃から、放射能から逃れるために当てもなく子連れでケアンズに移住してくる家族が増えたことで、ジワジワと日本で震災後何が起きているのかを実感させられるようになっていった。

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 2012年「被災地の旅」日記より

あの日日本にもおらず、メディアや人を通じてしか状況が分からない事が何となく恥ずかしいというか、海外に住む日本語教師として心に刻んでおかなければいけないことだろうと思って、震災から1年半後の帰国時に、被災地まで行ってきた。自分の目で見たこと、現地の人に直接聞いたこと、そこで感じたことなど、このブログにも書いていたので、今日をきっかけに読み返した。(「被災地の旅」 http://yuka2005diary.blog6.fc2.com/blog-entry-265.html
また、日本のテレビが見られる友人の家にお邪魔して、今日は震災関係の特集を見させてもらっていた。自分で訪ねた被災地の映像が映る度、その時に感じた気持ちが強く蘇り、これからも自分のできることを続けて行こうという気持ちになった。



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この間の土曜日に行われたチャリティイベントは、既に5回目の開催だった。私も毎回参加させてもらい、特に去年からは福島の子供たちをサポートするNPO法人を親しい知人が立ち上げたことをきっかけに、折り紙の活動の方向性がもっぱら福島のためのチャリティになった。ケアンズの人たちの高い意識のお蔭で、毎年この時期に被災者の方々に思いを馳せるのは当然のことのような感覚になっていた。


けれども、今日日本のテレビ番組を見させてもらう中、色々考えることもあった。

tv program <←クリックで拡大>

まず、友人の見せてくれたテレビ欄を見る限りでは、3月11日にも関わらずゴールデンの時間帯(19:00~)に震災関係の特集をやっているテレビ局はNHKだけだった。すごく良いメッセージを伝えていた特集は日本の16:00台とかの放送で、多くの人が見る時間帯ではなかった。
放送の内容は、4年経った現在の現状をそのまま伝えるような内容でした。特に、福島の復興が進んでいないことを取り上げているものが多く、現状に目を向ける意味で、色んな人が見るべきだと思ったのだが、19:00台に他のチャンネルで人気番組が競うように楽しいことを放送している中で、どのくらいの人が見るのかなぁと疑問に思った。やっぱ、視聴率のためなのかなぁと・・。


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特集を一緒に見ていた友人ともテレビを見ながら色々意見を交し合った。
原発事故は、現在だけでなく、次世代にもその次の世代にも確実に引き継がれていく大きな課題を残してしまった。その課題を意識している人も日本に沢山いる。
現に、メディアも少しではあるが特集を組んだり、教育者がこの教訓を活かすべく次世代の子たちへと働きかけたりしている。
でも実際、もう震災・原発事故は「過去のこと」「自分とは無関係なこと」になってしまっている人の方が圧倒的に多いのではないか。
こうしてテレビで現状を知ったとしても、実際に行動を起こす人はどのくらい居るのだろう。
もし私たちが実際今日本に住んでいたら、きっと毎日の活動・エンターテインメント・社会の目に影響を受けて、周りに流されてしまうのかも。流されないようにしようとしても、相当精神的なストレスが伴うのだろう。そう思うと、日本にもう一度住む気はちょっと失せるかも。。
この課題を社会全体で責任負うためには、教育、メディア、そして政府が変わらないとダメだね。
教育は少しずつ変わっている。メディアも、スローではあるが、変わってきていると信じたい。でも政府が変わらないことには…。。。




私の学校でも、ここ一週間は授業で3.11の意味することを生徒たちに話すようにしている。生徒たちは興味津々。だけど、ヒロシマ・ナガサキを世界に伝え続けてきた日本が原発をやめない現状が頭によぎると、なんだか歴史と現状が矛盾しているようで、恥ずかしい気分になり、うまく話ができない。
ありがたいことに、今月末、Smile With Kidsを通じて私の学校に福島の中学生4人を招待して、彼らの口から福島の現状を伝えてもらうことになった。せめて私の周りの人たちにだけでも、現状と向き合い頑張っている人たちがいること、そして、国境を越えての意識(awareness)とサポートが、日本を精神的に住みやすい国に少しずつ変えていくパワーになることを伝えたいと思っている。


政府は変わらないかもしれない。メディアも、変わるのには時間がかかるかもしれない。日本国民もそれに影響され、どんどん3.11は過去のことになっていくかもしれない。だけど、とにかく今自分ができることとして、私は教育の方面から自分が次世代に伝えられることを伝えていきたい。そう強く思った一日でした。


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この記事に対するコメント

ありがとう、ゆか先生!ちゃんと考えて、ちゃんと伝える人がいて、ありがたいです。日本人にも、オーストラリア人にも、忘れないって、とても大事です。
【2015/03/13 13:54】 URL | キャシー #-[ 編集]

キャシー先生、ありがとうございます。そうですね、一人の日本人として、日本語教師として、できることをしていきたいです。
【2015/03/15 19:49】 URL | Yuka #-[ 編集]


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